北欧スウェーデン発のミステリー『ミレニアム』の面白さの秘密とは?
昨年末のミステリー小説ランキングの上位を総ナメにした話題作『ミレニアム』シリーズ。いよいよ日本上陸した映画化第1弾の面白さの秘密とは?
北欧発のミステリー小説『ミレニアム』3部作の快進撃が止まらない。週刊文春の「2009ミステリーベスト10」と早川書房の「ミステリが読みたい! 2010年版」で1位に輝き、宝島社の「このミステリーがすごい! 2010年版」では3冊同時ランクインの快挙を達成。これら年末恒例の三大ランキングを席巻し、今世紀最高のミステリー小説との評価を揺るぎないものにした。 「ぴあ」1.21号より
スウェーデン人の著者スティーグ・ラーソンはこれが処女作だったが、2004年に心筋梗塞で突然他界。彼の死後に出版された小説は世界中で1500万部突破のベストセラーとなり、3部作での映画化に至ったのだ。その映画版はすでにヨーロッパで大ヒットし、ハリウッドでリメイク企画が進行中。クエンティン・タランティーノやブラッド・ピットが参加するとの噂まで飛び交い、『ミレニアム』現象は映画界を巻き込んだ一大ブームの様相を呈している。
『ミレニアム』の面白さは壮大なる謎解きを軸に、歴史の闇、資本主義や権力の腐敗、ジャーナリズムの意義といった多彩なテーマを盛り込んだ中身の“濃さ”と、波瀾万丈のストーリー展開にある。さらに男性主人公ミカエルとコンビを組むパンク・ファッションのヒロイン、リスベット・サランデルの突出した個性が読者を釘付けにした。情緒不安定な社会不適格者にして、ずば抜けた情報収集&解析能力を誇る敏腕ハッカー。プロデューサーのソロン・スターモスは、映画化にあたって「リスベット役の女優を選ぶことに集中力のすべてを注いだ」と語るほどだ。
いよいよ日本上陸した第1弾『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』では、凍てつく孤島を訪れたミカエル&リスベットが40年前の少女失踪事件の解明に挑戦。原作のテイストを受け継ぎつつ、横溝正史ミステリー風の実業家一族のドロドロした因縁が浮き彫りにされる。原作ファンもそうでない人も、全世界が夢中になった“謎”の虜になってほしい。
文:高橋諭治
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