蟹工船
(2009)
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「一歩踏み出せ」映画『蟹工船』で監督が描いたもの
1929年、小林多喜二によって書かれた同名小説を、SABU監督が現代に蘇らせた映画『蟹工船』が、7月4日(土)から公開される。劣悪な環境下にある労働者たちの苦難と闘争の姿を描いたこの小説は、昨年の大不況と共に約80年の時を経て再びブームになり、流行語大賞のTOP10にも入った。本作も、このブームに乗ったように見えるが、SABU監督自身は「今を意識したわけではなく、10年後、20年後を意識して作った」と語る。
映画『蟹工船』は、蟹を缶詰にする蟹工船・博光丸を舞台に、西島秀俊演じる浅川監督ら監視側と、松田龍平演じる新庄ら労働者との対立を暗く、圧迫感のある映像で描く。狭い船で起こる対立、絶望、そして湧き上がる希望と奮起。
これまで国内外で高く評価されてきた監督が、本作に込めたものは、世代を超えて若者へ伝えていきたい思いだという。「これから何かをしようという気になるための一歩というか、がんばって一歩踏み出せ、そのためには自分で考えて、どうなりたいかは自分次第なんだ、という内容。サラリーマンが電車で携帯電話でゲームしていたりするのを見るのが好きじゃない。彼らが日本を支えていると思うとぬるいなあと(笑)。俺は、緊張感があることが楽しいと思う。ドキドキするときがあるか、というところが重要だと思う。今になって、いつクビを斬られるのかという状況になってから、緊張するようになっている」。
<『蟹工船』劇中写真>
「自分でなにかを考えてやるのと、言われてこなすのでは生きていて楽しさが違う。これから就職するときにも、どこへ向かうかは自分で決めてほしい」と語る監督。「たぶん今の若者は原作には興味がなかったと思うんです。だけど、『今の状況と似ているんだ』と言われて騒ぎになった。でも、それだけでは意味がないので、わかりやすく、通じやすいように作りました」。映画『蟹工船』には、これから働く人も、既に働いている人も、それぞれが感じ取れるものが描かれている。監督が本作に込めたメッセージを、ぜひ劇場で受け止めてほしい。
『蟹工船』
7月4日(土)シネマライズほかにて公開
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