カンヌ常連のパレスチナ監督による半自伝的映画【カンヌ映画祭レポート】

ぴあ編集部

一昨年には審査員も務め、すっかりカンヌ映画祭の常連になりつつある俳優・映画監督のエリア・スレイマン。パレスチナ出身の彼の半自伝を映画化した『The Time That Remains』が、2002年の『D.I.(Divine Intervention)』に続きコンペ部門に出品された。

レジスタンス活動家だったスレイマン監督の父親が書き残していた日記を基に、1948年から現在に至るまでのパレスチナと、スレイマン家の歴史を映画化している。父親と同じように、スレイマン監督も日々小さなノートを持ち歩き気に留ったことを書き綴っており、それがこの作品を作るにあたってとても役立ったと言う。

パレスチナという特殊な地域に生まれたことから、彼の作品は常に政治的背景を感じさせる。「パレスチナ人であるということは、常にチャレンジングなことだ。いかにステレオタイプから逃れるか、そしていかに政治的意味を持たせずに、通常の映画と同じようなメッセージを持つ映画として、パレスチナについて語ることができるのか」とスレイマン監督は語る。

<カンヌ映画祭の写真>

だが、前作『D.I.』もそうであったように、彼の作品には底辺にユーモアがあり、状況を受け入れる強さがある。今作でも役者のひとりとして出演しているエリア・スレイマンは、常に目を見開いてカメラを見つめており、そこに彼のステイトメントが現れているようだ。

取材・文:平井伊都子



■第62回カンヌ国際映画祭
5月13日〜5月24日まで開催
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