サヨナライツカ特集

サヨナライツカ

『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督がタイ、日本、韓国での1年以上におよぶ撮影を経て完成させた美しくも切ない恋愛映画『サヨナライツカ』が遂に公開!いち早く映画を鑑賞した観客はどこに心を打たれたのか? 作品の魅力を徹底解剖します。

映画ライターレビュー

濃密な時間に触れ、映画を観ることの至福を噛み締める秀作

  • 90点

    イソガイマサト(映画ライター)

     辻仁成の同名小説を、『私の頭の中の消しゴム』の韓国の異才イ・ジェハンが原作者の夫人である中山美穂を12年ぶりに銀幕のヒロインに迎えて映画化したラブ・ストーリー。本作の概要を書くとそういうことになるが、映画ファンならこれを数多ある“泣ける”メロドラマとして一緒にして、見逃してしまったら勿体ない。

     映画は1975年に婚約者を日本に残したままバンコクに赴任したエリートビジネスマン・豊と自由奔放に生きる美しく魅惑的な女性・沓子との出会いと別れ、25年後の再会を描き出すが、ただ物語をなぞるわけではない。その時々のふたりの感情の揺れや、決して情に流されることのなかった豊が沓子への想いを制御できなくなっていく様を、そのシーンごとに最も適した映像と音楽、中山美穂と、豊に扮した西島秀俊の最高の芝居を引き出して表現し、観る者の心を揺さぶるのだ。

     例えば、出会って一瞬にして恋に落ちたふたりが激しくお互いを求め合うシーンでは豊がそれまで浴びていたシャワーの水や扇風機の音、南国の光がふたりの燃え上がる想いを伝える。さらに、彼らがどんどん惹かれ合っていく高揚感は、ツゥクツゥク(タイの三輪タクシー)の上でふざけてキスを交わしたり、クラシックカーでジャンボジェット機の下をすごいスピードで潜り抜けるシーンなどが象徴的に代弁する。そうしためくるめく映像表現が、沓子との別れと婚約者との現実を受け入れる豊をワンカットで撮った奇跡的な長回しのショットに至るまで、全シーンすべて周到に、時に大胆に連続していて一瞬も見逃すことはできない。

     切ない物語である。だが同時に、映画ができる表現をすべてやりきったその濃密な時間に触れ、映画を観ることの至福を久しぶりに噛み締めることにもなるのだ。

ユーザーレビュー

12月25日(金)、『サヨナライツカ』試写会にてアンケートを実施!

クリスマスに『サヨナライツカ』のぴあ映画生活ユーザー限定試写会を実施。
試写会後には、 ロビーにて“涙”度チェック(写真左上・右上)も行われ、カップルや友人同士で泣きどころポイントを語りながら投票する姿が見られました。
また、映画の世界感に浸って涙する方や、アンケート用紙に熱心に記入していた方も多く見られ、映画の世界を思い思いに堪能された一夜となりました。

『サヨナライツカ』「せつない涙をぬぐうハンカチ」を10名様にプレゼント!

 

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『サヨナライツカ』ジャパンプレミア
“ホンネ”レビュー

1月23日に都内で行われた『サヨナライツカ』のジャパンプレミアで、映画を観た直後の観客の感想を直撃!“ホンネ”レビューを抜粋しました。

  • たくさんの出会いを求めて生きたいと思った

    90点

    35歳・男性・会社員

    最も印象に残ったのはラストのガラス窓に沓子が映り、「愛してる」と伝えあったシーン。自由奔放に生きていた沓子が豊を愛したことによって、自分のことだけから相手を思いやれる人物に成長したところに好感が持てました。人生というものを改めて感じさせてもらった作品。この映画を観て、もっとたくさんの出会いを求めて生きたいと思いました。

  • “愛”について考えることができる秀作

    90点

    40歳・女性・会社員

    タイのロケ地が美しく、中山さんの衣装も素敵でした。キャストは全員素晴らしく、特にこの作品は中山美穂さんと西島秀俊さんだったから良かったんだと思います。最も印象に残ったキャラクターは中山さん演じた沓子さんですが、私自身、人を愛せる自信はありますが、沓子のように愛せるかは……わからないです。友達には「この映画は“愛”について考えることができる」と言って勧めたいです。

  • 本能のまま、感じたまま恋愛をしたいと思った

    36歳・女性・販売員

    この映画を観て、人生は一度しかないので、頭で考えるのではなく、時には本能のまま、感じたまま思いっきり恋愛したいと思いました。女友達に「忘れられない恋をしたことある? 観ていろいろ感じて!」と言って勧めたいです。

  • ひとりの人をずっと思い続ける沓子に憧れます

    26歳・女性・保育士

    印象に残ったシーンは3度目の再会で沓子が豊かに「家族のところに戻ってください」と言った切ない言葉。沓子には人を愛する強さを感じ、胸にぐっときました。今現在、彼氏がいないのですが、この映画を観て早く欲しくなりました。そして沓子のようにひとりの人をずっと思い続け、たとえ離れなくてはいけないとしてもずっと思い続けられるような相手が欲しいと思いました。

  • 3人それぞれの思いが痛い

    30歳・女性・OL

    映画を観て、誰かひとりに感情移入するかと思いましたが、3人それぞれの思いが痛かったです。特にタイの空港で沓子が去ってすぐに光子が来て抱きついたシーンには、ただただ泣けました。私自身は石田ゆり子さんが演じた光子のように強くなりたいです。

 

『サヨナライツカ』キャラクター診断
あなたは誰のタイプ?

あなたは本能のまま愛に生きる沓子(中山美穂)タイプ? それとも仕事と恋愛のバランスを重んじる豊(西島秀俊)タイプ? または何があっても信念を持ちつづける光子(石田ゆり子)タイプ?下の診断テストでチェックしてみよう!

 

映画のキーワードは人生の“岐路”

『サヨナライツカ』のテーマになっているのは人生の“岐路”。人は誰でも長い人生の中で何度となく大きな岐路に立たされ、そのときどきに応じて自分で究極の選択を下して歩んできたはずだ。だけど、たまにふと過去を振り返ることがある。「あの人ともう少し早く出会っていたら? 」「あのとき、もしもう一方の路を選んでいたらどうなっていただろう?」「 あのとき、あの人にあのひと言を伝えていたなら?」『サヨナライツカ』はそんな選ばなかった、かなわなかった恋に想いを馳せる切ないラブストーリー。短くも濃密なふたりだけの時間、抑えられない愛の炎、空港での別れといつまでも心に残る痛み……観る者は沓子と豊の会話や行動に自らの切ない恋の記憶を重ね、激しく心を揺さぶられることになるのだ。

 

生涯ひとりの人を愛した
ヒロインの生き方に憧れて

12年ぶりの映画復帰。そのタイミングは、突然やってきた。妻として母としてパリで暮らす中山美穂の背中を押したのは、7年前に映画化される予定だった『サヨナライツカ』。愛に生きる勇敢なヒロイン、沓子を演じることはたぶん、彼女にとって必然だったのだ。

中山美穂インタビュー