踊る大捜査線 THE MOVIE2/レインボーブリッジを封鎖せよ! (2003) »ぴあレビュー

怪物シリーズの続編製作は、予\想以上の難産だったのだろうか!?

2003/07/16 (水) written by フォルティ大滝(映画ライター)

副総監誘拐事件から5年。お台場と共に成長を遂げた湾岸署のメンバーの問答無用の活躍が始動するが・・・。

いまさら説明は不要だろう。日本中を席巻したあのドラマが帰って来たのだ。警視庁を“本店”、所轄の警察を“支店”と呼ぶなど、警察機構を会社組織としてシニカルに捉え、組織的弊害を全面に押し出して大ヒットを飛ばした新しいタイプの刑事ドラマの劇場版としての続編。今となると超豪華メンバーで製作されてたモノだ。また、北村総一朗扮する神田署長率いる管理職連中のおバカぶりは、独立の番組が作られるほど大人気を博した。

やはり今日のお台場の発展は当然描かれている。湾岸署はいまや観光案内所と化していた。5年も経つと1人に1台づつパソコンも支給されるのだ。しかも今度の管理官は女性ときた。5年間のブランクは、数々の小ネタに不自由しない。しかし、一方で青島刑事を含め、登場人物たちの成長を描くには苦労を迫られる期間だったのか。

シリーズ一貫したテーマである組織統治の弊害は本作でも当然描かれている。一方で、今回から観る人向けに便宜を図りつつ、5年間分の工夫、すなわち期待を失墜させないような苦労の後も見える。が、ちょっと誇張しすぎな側面も。とはいえ、これは本広映画。電話をバンバン並べて設置したり、颯爽と出動するSATのカッコよさと同様、激しく大袈裟に展開するのは予想の範囲内か。このシリーズの人気の高さが与えるプレッシャーをひしひしと感じた。筆者個人が最高傑作だと思っている『歳末特別警戒スペシャル』における複数の伏線が結末へ向けて見事に収斂するこのシリーズならではの醍醐味は、残念だが薄かった。これは前作にも言えることだけど。

主演の織田裕二を初め、“踊る”メンバーが再結集。その上、TV版から登場していたマニアックなキャラまでが、あちこちに目に付いた。これは実に嬉しい。本作を観る前に、もう一度シリーズ全作を総復習することをオススメする。ただ、年月と共に変化した設定の影響か、魚住係長の“見せ場”が少なかったのが残念だったなぁ。

結果的に“5年間”を意識しすぎたかなぁ。これは良かれ悪しかれ指摘されてしまう仕方のない点か。日本中に多くのファンを生み出した怪物シリーズ。物語詳細についても多くは語るまい。完成度はともかく、復活を祝うのが自然だ。元来、映画である必然性はない作品だが、先ずは青島刑事の帰還を素直に喜ぶことが大事だろう。

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