あしがらさん
(2002)
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路上生活を送る老人と、彼を追う青年の心がほっこり温まる物語!
2004/04/01 (木) written by フォルティ大滝(映画ライター)
“あしがらさん”と呼ばれるホームレスの老人と、彼を記録し続けた飯田基晴監督の織り成すドラマに大感動!
本作は、朝日新聞等で取り上げられた話題のドキュメンタリー。ある年老いたホームレスに興味を持った1人の若者が、DVカメラ片手に3年間にも渡って、彼を記録し続けた映像集大成である。“あしがらさん”と呼ばれるホームレスと、監督である飯田基晴氏のカメラを通じたコミュニケーションから、様々なテーマが見えてくる。
あしがらさんは、新宿で路上生活を送る人。足についたシラミを落とすため、いつも足踏みをしている。ゴミにしか見えない大量の荷物を抱え、それを誰にも触らせない用心深い一面がある。ある日、ボランティアであしがらさんと知り合った飯田青年は、彼の屈託のない笑顔に魅せられ、あしがらさんの日常をカメラに収め始める。
DVカメラで撮影したクリアーな映像は、路上生活者の厳しい現実を克明に写し取る。日本の福祉行政や民間のボランティア団体に関する記録も登場するが、カメラは、あしがらさんそのものを興味深く追っていく。社会的な問題点を浮き彫りにして、声高に矛盾点を叫ぼうという試みではなさそうだ。ひたすら記録日記的なまとめ方。
あしがらさんを追い続けた監督の飯田氏は、若干30歳の青年。ボランティアに関わってからは、8年という期間をこのテーマに費やしてきたツワモノだ。しかし、映画の語り口は実にマイルドで、主張の強要は一切ない。そこがこの映画の素晴らしいところ。無責任なジャーナリズムなど、あしがらさんの笑顔の前には無意味なのだ。
あしがらさんに興味を持った1人の青年が、その理由も説明しないままに取り続けたドキュメンタリー。注目すべきは、それが、いつしか彼らの心の交流を描いたハートフルなドラマになっていくのだから、面白い! 凄い! 久々に心の底から本物のドキュメンタリーの面白さを楽しんだ。こんなにも素晴らしい映画をありがとう!
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